4月26日、「Billions」に参加しました。会場は、ビバリーヒルズにあるWriters Guild Theaterで、今年参加したイベントの中で、我が家より最も遠い場所だったので、到着した頃には疲れ果てていました。
Showtime局が根回しに使用する番宣ポスター。左からマリン・アッカーマン(ララ・アクセルロッド役)、ダミアン・ルイス(ボビー・アクセルロッド役)、マギー・シフ(ウェンディ・ローズ役)、ポール・ジアマッティ(チャック・ローズ役)。
午後7時30分から、4月10日に既に放送済みのシーズン1最終話を試写。キャストの面々も客席で鑑賞した後、パネルインタビューの席に着きました。
左からモリーン・ライアン(Variety.com)、デヴィッド・ラヴィーン、ブライアン・コッペルマン、ジアマッティ、シフ、ルイス、アッカーマン、コンドラ・ラシャード。Photo by Eric Charbonneau/Invision for Showtime
リーマンショク以来、持つ者(1%)と持たざる者(99%)の間に存在する溝は広がる一方で、世界を動かしているのは、「1%の1%」とまで言われています。故に、富の偏りや階級、公平/不公平とは?などに、話題が集中してきました。本作は、チャック・ローズ検事(ジアマッティ)が代表する歴代の資産家(オールド・マネー)対、ヘッジファンドでぼろ儲けするボビー・’アックス'[=首切り斧と言う意味のボビーの渾名]・アクセルロッド(ルイス)が代表する成金(ニュー・マネー)の一騎打ちを描きます。
3月7日に「現在進行中の新作」でご紹介した時点では、1)権力対財力の飽くなき闘いを何シーズン維持できる?と、2)女性キャラは刺身のつま扱いだと指摘しましたが....シーズン1後半には、女性キャラの台頭が控えていました。シーズン1最終回、男の確執に巻き込まれたものの、チャックとアックスの間を巧みに泳ぎ、遂に大金を手にしたウェンディ(シフ)に軍配が上がりました。但し、アックスの相談役/応援団長として’敵陣’アックス・キャピタル社で、アックス以下社員を操ることに生き甲斐を感じていたセラピスト(=パフォーマンス・コーチと呼ばれる特別職)だけに、チャックとの夫婦関係には大きな亀裂が生じました。元々、仕事に生き甲斐を感じる余り、家庭を顧みないパワーカップルでしたから、当然と言えば当然の成り行きです。シーズン2では、あの大金を元手に、ウェンディが何をしているか?を想像するだけで楽しくなります。
レセプションの席で、番組の音楽担当者(左)と歓談するシフ。(c) Meg Mimura
一方、アックスとララ(アッカーマン)は、同様の貧しい環境で育ち、ここまでのし上がった成金パワーカップルです。今時の夫婦だからか、同じ穴の狢だからか、「この二人は完全に平等よ!」とアッカーマンが指摘しました。アックスは汚い手を使って金儲けに没頭し、ララは妹をシェフに迎えてレストランを経営すると同時に、二人の息子を’普通の子’に育てることに労力を注ぎます。又、いざと言う時には、二人で予め話し合った米国脱出作戦を実行するのも、ララの役目です。手段はどうであれ、社員も親戚も含め、身内を守ることが、叩き上げパワーカップルの生き甲斐なのです。
インタビュー終了後のレセプションで、気さくに歓談するアッカーマン(右)。(c) Meg Mimura
もう一人、ぐんぐんと力を見せ始めたのは、ラシャードが演じるケイト・サッカー検事補です。ケイトは、裕福な家庭で育ったお嬢様ですが、アックスを起訴しようと躍起になるチャックの下で働き、同僚ブライアン・コナティー(トービー・レナード・ムーア)に取り入って、出世の糸口を虎視眈々と狙っています。ケイトがシーズン2で何処まで出世するかも、楽しみです。
「SUITS/スーツ」のダニエル・ハードマンでお馴染みのデヴィッド・コスタビルは、本作ではアックスの右腕マイク・’ワグ'・ワグナー役で活躍しています。役所としては、ピアソン・ハードマン法律事務所の共同創設者で、事務所復帰や乗っ取りなど、様々な横槍を画策する悪徳弁護士ダニエルと、アックスの右腕ワグは同じ穴の狢と言えるでしょう。ワンパターンなのかなぁと思ってしまいますが、ワグの過去は本作では、まだほとんど明かされていないので、「もっとワグの事、知りたいよねー」と参加者を煽り、クリエイターに取り入るコスタビルでした。
左からコスタビル、ラシャード、ジアマッティ、アッカーマン、ルイス、シフ。Photo by Eric Charbonneau/Invision for Showtime
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