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Channel: ハリウッドなう by Meg
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「Frequency」は同名映画のテレビ化

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2005年公開の映画「Frequency」(邦題「オーロラの彼方へ」)を、主人公を女性に代えてテレビシリーズ化したのが、CWの今秋の新作「Frequency」です。パイロットが制作される初春に、3行ほどのあらすじを読んだ時にきらりと光る何かを感じ、以降実際にどのようなパイロットが出来上がってくるのか、興味津々で待つこと4ヶ月。CWから舞い込んだパイロットは、期待を裏切らない出来で、放送開始が待ち遠しい今秋の新作のトップの座を占めてきました。 Frequency NYPD殺人課刑事レイミー・サリバン(ペイトン・リスト)は、20年前父フランク(ライリー・スミス)が殉職して以来、母ジュリア(デヴィン・ケリー)とひっそり暮らしてきました。ある日、ガレージで埃を被っていた父の形見アマチュア無線機に落雷してスイッチが入り、聞き慣れない男の声がコールサインW2QYVを送ってきます。レイミーが久しぶりに向かった無線機にもW2QYVが刻まれており、交信を続けるうちに、1996年のフランクと2016年のレイミーの世界が同時進行していることが判明します。交信が始まった2日後は、フランクの運命の日。殉職に至るまでの経緯を熟知しているレイミーは、フランクに詳細を伝え、無駄な死を阻止することに成功します。しかし、フランクを救ったことによって、何かが微妙に変わり、今度は母ジュリアが看護婦ばかりを狙う「ナイチンゲール連続殺人鬼」の犠牲者になる宿命が待ち受けています。母と過ごした過去20年、父が生きていた過去10年余りの記憶が、レイミーの頭に鮮明に残っていると言うのに....サリバン父娘はジュリアの宿命を書き変えるべく、無線機を介して殺人鬼の捜査に乗り出します。ジュリアの運命の日まで残り数ヶ月。20年を隔てた「声のタイムトラベル」で結ばれた父娘が、時間との闘いに挑みます。タイムパラドックスがテーマのSFファンタジー・サスペンス・ドラマです。 161031_PeytonList01.jpg NYPD殺人課刑事レイミー・サリバンを演じるリスト。「マッドメン」の秘書から重役夫人にのし上がったジェーン・スターリング役が、まだまだ印象に残っているが、本作ではタフな刑事役。逞しさに、繊細さを微妙に加味して、好演している。 The CW 以前にも指摘しましたが、昨今のリメイクは、数々の’ひねり’を盛り込まなければ生存し得ません。主人公の性別や人種を変えるのは、最も基本的な’ひねり’です。映画「オーロラの彼方へ」では、主人公は男性で、消防士の父フランクとの父子の絆が描かれましたが、テレビ版では、主人公は女性です。また、囮捜査で潜入していたギャング団に身元がバレて、消されてしまい、上司に汚職の罪を着せられて殉職する刑事フランクとの父娘関係が主軸となっています。更に、映画ではフランクは殉職と肺がんを免れて、現在生きている設定でしたが、本ドラマでは、フランクは殉職は逃れたものの、後に交通事故で死亡するため、2016年には存在しません。これもいずれは、変わる可能性があります。 161031_RileySmith01.jpg レイミーの父フランクを演じるスミス。「Nashville」では悪役だったので、最初は配役ミス!と思ったが、回を重ねる毎に馴染んできた。ちょっと、若過ぎるのでは?とは思うが... WENN.com 「Frequency」は母親の誘拐殺人を阻止するために、2016年現在生きているレイミーがコンピューターや生き延びた被害者から得た手がかりを、1996年の父フランクに伝え、捜査活動をしてもらいます。但し、20年前にパズルの一片を変えると、即座に現在に影響があります。 161031_DevinKelley01.jpg ジュリア役に抜擢されたケリーは、『よみがえり 〜レザレクション〜』で日本でもお馴染みの女優。20年の差をメイクやヘアーでカバーしているが、「最初は、老けたり、若返ったりには戸惑いました」と明かした。 WENN.com 10月7日にご紹介した「Timeless」も、同様のタイムトラベルを扱っていますが、クリエイターが指摘した通り、タイムトラベルで過去に遡るのは飽くまでも背景で、ルーシー、ワイアット、ルーファスの異色トリオが描き出す人間模様に焦点が置かれています。ルーシーの家族構成が一変した点が最も顕著なタイムトラベル効果ですが、歴史は変えてはならないと言うルールの下でトリオが行動するので、大筋は変わらないため、安心して観ることができます。一方、流し観していると、訳が分からなくなってしまうのが「Frequency」です。本腰を入れて観ていないと「えー????」と困惑するのが落ちのタイムパラドックスです。 第4話まで観ましたが、殺人鬼の捜査は消去法で、ほとんどの捜査ドラマと同じく、こいつが犯人だ?!と追い詰めては、容疑者のリストから消去し次に進むの繰り返しです。消去法の謎解きは、一話完結型の捜査ドラマでは問題ありませんが、1シーズン(10~13話)を通じて続けるのは考えものです。そこまで、視聴者がのめり込んでくれるでしょうか?複雑な謎解きは大歓迎ですが、ABCの新作「Notorious」のように、殺人事件の解決を1シーズンの最後まで引き延ばすのは、かなりきついものがあります。それが証拠に、つい先日、今シーズンの制作本数を13話から10話に削減されてしまいました。現代人の忍耐力が底をついている事実を考慮に入れなかったのでしょうか?それとも、キャラに魅力があれば、視聴者がついて来ると思った誤算でしょうか?「Frequency」は、母を助けるためという大義名分が立つので、私は謎解きに参加したいと思います。

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