2001年、グリーティングカードの老舗ホールマーク社が、ケーブル局Odysseyを買い取り、Hallmark Channelと命名しました。Odysseyは、家族向け番組、料理番組、美容体操などを放送する局で、前身は1990年代初頭に開局した、様々な宗派の説教や子供向け番組を放送する局VISN/ACTSでした。
Hallmark Channelは、宗教色を完全に消し去り、家族ぐるみで楽しめる番組や映画の専門局。親会社であるホールマーク社と同様、季節やお祭りに沿って編成するようになり、社のイメージと同じくほんわか、ほんのりを目指しているため、昔のディズニーを思い出させる制作/編成となっています。
対象は団塊の世代で、品行方正を目指す余り、パンチに欠ける点は否めませんが、親子三代で安心して観られる作品が売りです。開局初期は、他局から購入したコメディーやドラマを放送していましたが、今ではほとんどがオリジナル作品です。ちなみに2013年には、30本のオリジナル映画を放送します。また、懐かしい俳優を起用することでも有名で、同局が開催するエレガントで豪華なTCA晩餐会で、「あー、『ER』のあの人だ!」など、久し振りに目にする往年の俳優とのご対面を満喫させていただいてます。
同局で2012年10月から始まった平日の朝(LA地域では午前10時から)2時間のトーク番組が「Home & Family」です。ユニバーサルスタジオの一角、西部劇用の街並セットの突き当たりに、突如現れる瀟酒な一軒家があります。ここが知る人ぞ知る「Home & Family」のセットです。
LAの高級住宅街の一軒家風に建てられたセット。庭の手入れも行き届いていて、とてもセットとは思えない。
ユニバーサルスタジオのツアーに参加された方は、カリフォルニアの地震を体験する乗り物(?)を覚えていらっしゃるかと思いますが、この一軒家は乗り物の入口に隣接しています。但し、公開録画に参加した人かスタッフでなければ、この家の存在さえ知り得ない、ひっそりとした佇まいです。
公開録画は先ず、裏庭から始まった。この日は、一般参加者も20人ほどかき集められていた。
招待された6月末日は、完全な夏日でした。京都のような盆地バーバンク=日本の夏並みの猛暑の中で、8月初旬まで公開録画が続きます。司会を務めるのは、モデル出身、女優業を経て料理本を何冊も出版しているクリスティーナ・フェラーレと、「Entertainment Tonight」で8年レポーター/キャスターを務めたマーク・スタインズのコンビです。
ロレアル社の「顔」を務めたこともあるフェラーレ(左)と、トム・クルーズ風のスタインズ。フェラーレはイタリア系アメリカ人で、「美味しい料理でもてなすことを幼い頃から叩き込まれた」と言う。
Andrew Evans / PR Photos
この日は、ラジオパーソナリティー/作家アダム・カローラのインタビュー、リアリティー番組「The Real Housewives of New Jersey」の出演者キャロリン・マンゾの著書紹介、心理療法士ステイシー・カイザーが兄妹のライバル意識を分析しました。司会者クリスティーナは、ステーキ・ファヒータを調理、結婚式シリーズでは引き出物のヒント、工芸コーナーでは、夏至を祝うスカンジナビア風花飾りが紹介されました。この日の呼び物は、「ザ・ヴォイス」シーズン4の出場者アンバー・キャリントンがカントリーからポップ・ロックへの転身について語り、歌声を披露してくれたことです。
心理療法士カイザー(中央白いシャツの女性)のセグメントの録画風景。右手奥のブルーのシャツがフェラーレ、手前(カメラマンに近い)がスタインズ。
ちなみに、2時間分の録画が終了した後、クリスティーナが作ったステーキ・ファヒータのお相伴にあずかった上、マークとクリスティーナのインタビューまで実施することができました。また、クリスティーナご自慢のキッチンの案内もしてもらいました。ほとんど自分でインテリアをデザインしたというクリスティーナでしたが、DIYに長けているマークは、徐々にキッチンをアップグレードして行く計画と語りました。
クリスティーナは、1996年から2年余り続いた初代の「Home & Family」の司会を務めており、2代目「Home & Family」にも起用されるほどの人気です。料理上手な友達の家に招待され、台所や居間でおしゃべりしている感じの、同局ならではの生活情報番組です。御馳走さまでした!
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