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Channel: ハリウッドなう by Meg
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TCA夏のプレスツアー4、ABCは数で勝負?

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今シーズンの新作ドラマ「Betrayal」「Lucky 7」「Marvel’s Agents of S.H.E.I.L.D.」「Once Upon a Time in Wonderland」、コメディー「Trophy Wife」、継続番組「グレイズ・アナトミー」「リベンジ」「スキャンダル」「クリミナル・マインズ」に加え、ABC Family局の「Switched at Birth」「Twisted」「Baby Daddy」の計12作=30人の映像インタビューを実施しました。 TCA用には、上記のコメディーに加えて、「Back In The Game」「The Goldbergs」「Super Fun Night」の制作発表のパネルインタビューが実施されました。つまり、ABCは計8作を今秋発表する訳で、地上波局の中では最多数を誇っています。 今回は、パイロットで観て良いなと思った俳優が、映像インタビューしてみると、 1)好感度がた落ちで、シリーズを観る意欲を削がれた 2)画面で観るよりぐ〜〜んと背が低くてがっかりした 3)逆も真なりで、実物の方が断然魅力的で、シリーズの続きを観る気になった の3点を体験しました。 ABCに限ったことではありませんが、どの新作にも少なくとも一人は、英国/アイルランド/スコットランド/オーストラリア/ニュージーランドの若手(=米テレビ市場では比較的ニューフェース)が起用されています。「Wonderland」の主要キャストは、現在LA在住のナヴィーン・アンドリュース(「LOST」)以外は、全て外国人です。アンドリュースも、元はと言えば英国育ちですし、アリス役のソフィー・ロウの言葉を借りれば、「古巣イギリスで、劇団仲間と仕事をしている感じ」で、単に撮影やマーケティング/広報などの「規模が大きくなっただけ」とか。「Once Upon a Time」だけでもお伽の世界と現実を行ったり来たりで目が回りそうなのに、魔人サイラス(ピーター・ガディオット)を探す旅に出る、スパイ並みの逞しいアリスの冒険に便乗したい人がどれほどいるのでしょうか?柳の下にいつも泥鰌はいないと思いますが.... 【動画】 「Wonderland」トレーラー mimura63my.jpg 8月4日、姿を現した「Once Upon a Time in Wonderland」のキャスト5人。左からアンドリュース、ロウ、エマ・リグビー、マイケル・ソチャ、ガディオット。 Andrew Evans / PR Photos 鳴り物入り、通常のTCAツアーの10倍の厳しい警備体制の中で観た「Marvel’s Agents of S.H.E.I.L.D.」は、このジャンルに全く興味が無い私には、あくび続出もの....主役ウォード捜査官を演じるブレット・ダルトンに「続きを観よう!観なければ!」と思わせるほどの魅力が無い上、はみ出し野郎の集団は、ヒーローとしてはカッコ良くても、人間として魅力がありません。「毎回、事件を解決して行く中で、キャラ6人の生きざまを描くドラマだ」とクリエイターのジョス・ウィードンは、TCAのパネルインタビューで強調しました。これなら、「アルファズ」の方がどれだけ面白いことか!? 【動画】 「Marvel’s Agents of S.H.E.I.L.D.」トレーラー また、メイ捜査官はミン・ナ・ウェン(「ER」のジン・メイ・チェン医師)と、スカイを演じるクロエ・ベネットが2人とも中国系という点が面白いと思いました。S.H.E.I.L.D.は、宇宙ステーションのように、世界中から多種多様の人間が集まってくる国際機構であるとは言え、白人男性3人+白人女性1人+中国系女性2人がドラマの核とは、ちょっとびっくりです。余談ながら、今年は脇役と言えども、驚くほど中国人が急増しました。世界放送権を売る関係上、中国人をキャストに入れておく必要があるのに違いありません。 mimura64my.jpg 「Marvel’s Agents of S.H.E.I.L.D.」の(左から)ベネット、ダルトン、クラーク・グレッグ、ウェン、エリザベス・ヘンストリッジ、イアン・ディ・カスティカー。 Andrew Evans / PR Photos 今年もこれを観ないと損!損!的秀作は皆無ですが、「敢えて言うなら」ドラマは、オランダのドラマを基に、21世紀の「リア王」もどきのメロドラマ兼スリラーに書き替えた「Betrayal」と、英国の同名の作品をブルックリン版として制作した「Lucky 7」の2作です。 「Betrayal」は、13話限定シリーズ=英国方式です。最初に結末を見せて、そのシーンに行き着く過程、つまり人妻の不倫がもたらした波紋と悲劇を描きます。特に斬新なアイデアではありませんが、STARZ局のオリジナル作「Boss」で、エマ・ケインを好演したハンナ・ウェアが、人妻サラを演じているので楽しみにしています。 【動画】 「Betrayal」トレーラー モデル出身の英国女優ウェアは、今回もシカゴが舞台のドラマに出演していることについては、「まだシリーズは2本目だから、選んで頂いたら、どこにでも行く覚悟」とか。「Boss」では、マフィアまがいのシカゴ市長である父親と父親以上に冷たい政治家二代目の母親を嫌い、出家したものの、薬物依存症や男漁りを繰り返す娘を演じていただけに、俳優としては駆け出しという低姿勢にびっくりしました。米国でのデビュー役は、「薬物依存とか、男漁りとか、自分では体験したことのない複雑な役柄は、チャレンジだらけでした。でも、今回は恋に落ちて、夫と愛人の板挟みでしょ?人を好きになった経験はあるから、このドラマの方が演じ易いわ」と語ってくれました。 mimura65my.jpg 「Betrayal」で、シカゴが舞台のドラマに再び起用された英国人ウェア。「Boss」の倒錯した市長の娘エマより、不倫に身を滅ぼしそうになるサラの方が演じ易いと言う。 Andrew Evans / PR Photos パイロットを観て、凄い!と思った新作「Resurrection」と春に交代するペア放送ですが、視聴率が高ければシーズン2もあり得ると、プロデューサーは自信無げな(?)発言でした。視聴者の判断に任せるということですが、打切りになった時に、最初から13話限定だからと切り返す準備でしょうか?やっと、英国方式に切り替える姿勢を見せたABCです。 「Lucky 7」は、宝くじで巨額の富を手に入れた7人の自動車修理工やコンビニのレジ=ブルーカラーのドラマで、こちらも斬新なアイデアではありません。2006年に「Windfall」(NBC)と題したドラマが登場し、クリエイターのローリー・マッカーシーにインタビューしたことを思い出しました。こちらは中流階級のドラマでしたが、私は巨額の富を手にしても変わらない自信があると述べたところ、「周辺の人間があなたを見る目が変わるから、金持ちになる前の状態には絶対に戻れない」と指摘されました。な、る、ほ、ど。 宝くじが当った新米パパ役マットを演じるマット・ロングの久々のシリーズなので、惹かれた作品ですが、何よりも私好みの数少ない人間ドラマの1本であることは確かです。ロングは、「Jack & Bobby」でデビューし、2010年「The Deep End」(ABC)という弁護士1年生組の熾烈な闘いを好演しましたが、いずれも打ち切りの憂き目に会いました。 【動画】 「Lucky 7」トレーラー 夜パーティーで、ロングと話をすることができました。結婚8年目にして、ロング自身にも第一子が生まれる予定で、「シリーズ登板は何よりラッキー!」とか。奥様は獣医で、産後すぐに職場に復帰する予定だったそうですが、今回の「就職」でしばらくは子育てに専念できるなど、一家の大黒柱として責任感を感じていることがひしひしと伝わってきました。 mimura66my.jpg 「Lucky 7」ブルックリン版も13話限定シリーズ。左からルイス・アントニオ・ラモス、アイゼア・ウィットロック・ジュニア、ロング、アナスタシア・フィリップス、ロレイン・ブルース、プロデューサーのジェイソン・リッチマン。ブルースは、オリジナル(英国版)にも出演した英国人俳優だ。 Andrew Evans / PR Photos 「The Deep End」が好きだったことを伝えると、とても面白い裏話が飛び出しました。「グレイズ・アナトミー」の弁護士版と言われていたハチャメチャドラマは、デビッド・ヘミンソン(「ライ・トゥー・ミー」にも関与していた)が弁護士事務所に入社した当時の体験をもとに書き上げた作品です。私は気に入っていたのに、6話で打ち切られ、残念に思ったことを覚えています。 mimura67my.jpg 「SUITS/スーツ」のマイク役パトリック・アダムズ。ロングが主演した「The Deep End」打切り後、「スーツ」が生まれた。ロングがオーディションを受けていれば.... Janet Mayer / PRPhotos.com 同作で主役を務めたロングによれば、「あの後、スタッフライターだったアーロン・コーシュが良いとこ取りをして、「SUITS/スーツ」を創作したって知ってた?マイク役のオーディションを受けるべきかどうか随分悩んだけど、打ち切られた直後だったから....」と教えてくれました。そう言われてみれば、マイクを演じるパトリック・アダムズはロングと同様の清潔で、誠実な好青年タイプです。大いに納得してしまいました。ロングがマイク役を勝ち取っていたら、今こんな話をすることはなかったんですね?残念、無念。「SUITS/スーツ」は、よくよく観れば、本当によく出来たドラマで、シーズン2は「グッドワイフ」の男性版と言っても過言ではないと感心していた矢先の興味津々の裏話でした!

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